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沈める寺

 2010-12-18
王は、海の傍に住みたいと願う美しい娘ダユーのために、イスという美しい都を作りました。
イスの都は、海抜ゼロメートル以下の低い地にあります。
ダユーは精霊の力を借りて、巨大な水門を築きました。
そして、精霊に、海を行きかう商船を襲わせ、略奪を繰り返し、巨万の富を築いたのでした。
イスの都は栄華を極め、あふれる富と自由に人々は溺れました。

美しいダユーに求婚する男性は後を絶たず、ダユーは彼らと夜を過ごし、飽きれば魔法の力で殺し、海に打ち捨ててしまいます。
ダユーの狂奔的な生き様と、それを映し出すかのようなイスの都の快楽的な繁栄に神は怒り、
赤い衣に身を包んだ一人の男をダユーの元へ向かわせます。(この男は悪魔であったとも言われています)
彼の姿にダユーは一目で心を奪われました。
しかし、彼こそが罰。
彼は言い寄るダユーをそそのかし、水門を開けさせます。
イスの都はたちまち洪水に襲われ、一夜にして海底に沈むのでした。


年月は流れました。
神の呪いにより海底に沈められた許されざる都は時折、まだ暗く、こんな霧の濃い朝に、海底から浮かび上がるそうです。
海面から、まず、寺院の尖塔が見え、そこから巨大な建物とその周りにある街が、緑がかった海藻と共に浮かび、海水を滴らせながらついにその姿を現します。
寺院からは、僧侶の亡霊が紡ぐ祈りの歌が聞こえてきます。
許されざる都は、歌が終わるとまた、亡霊と共に海底へと沈んでいくのでした。



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前半はケルト伝説で後半はそれをもとにドビュッシーが抱いた幻想。
ソースを図書館に返してしまって手元にないので、なんかまちがってるかも。

ダユーの父王グラドロンは信心深いキリスト教信者で、それを快く思っていなかったダユーですので、この伝説は要するに「キリスト教を信じなかった悪女の顛末」ということになるのかな。
神話とか伝説とか宗教っていうのは、土着の人々の強烈な恣意性を幻想というオブラートで柔らかく包んであるもんです。
そして恣意性をものともせず、幻想だけが独り歩きを始め、思いがけず美しいものを生むことがある。

人の恣意性の外側からインスピレーションというか妄想というか、また新たな幻想を抱いたこの曲は本当に素敵。
ドビュッシー / La cathédrale engloutie (沈める寺)


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